Japan Information-Culture Society
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ニューズレター第13号 1999年 1月 30日 発行


目次


1.第6回全国大会報告

 第6回全国大会は平成10年11月28日(土曜日)完成したばかりの明治大学リバティータワーにおいて行われた。

◎午前中 3会場で統一テーマ、一般テーマ、マルチメディア研究会の研究発表が行われた。
統一テーマ
A1 成沢 広行(桜美林大学) インターネットと電子商取引が創り出す情報文化
A2 鈴木 裕利・横井 茂樹・安田 孝美(名古屋大学) ネットワーク上の電子的著作権管理システム(ECMS)のシステム構造に 関する考察
A3 杉山 公弥子・安田 孝美・横井 茂樹(名古屋大学) デジタルサイエンスミュージアムにおけるインターネットコミュニケー ション技術の活用に関する考察
一般テーマ
B1 田宮 良平 (インターメディウム研究所) Clothed Body−ファッションデザインとパフォーミングアートとメディアアートとのコラボレーションによるインスタレーション
B2 平沢 洋一 (城西大学女子短期大学部) 映像にみる意味指数の変化
B3 茂木 栄 (国学院大学日本文化研究所) 祭りのCD-ROM制作について
C1 鳥野 寿章( 同工業大学) 消えつつある日本伝統工芸(大阪欄間の組子欄間)における技術情報のデータベース化による保存−技術情報保存法の一試案
C2 三好 賢周 (明治大学) 京都祇園祭を中心とした考察(2)
D1 三石 博行 (金蘭短期大学) 阪神大震災時の新聞紙面の生活情報分析2
D2 赤司 秀明 (日本学際会議) 福祉情報化−高齢化社会における情報文化
マルチメディア研究部会
E1 中田  平(金城学院大学) メディアの系譜学におけるデジタルメディアの位相
E2 石川 徹也 (図書館情報大学) 情報伝達機器・システムの発展と社会的イベント
E3 福留 恵子 (NTTデータシステム科学研究) テレワークが拡げるワークスタイルの可能性
E4 梅本 正敏 (NTTデータ技術開発本部) 来るべきデジタル社会におけるICカードの役割

◎午後から会長 片方善治氏、実行委員長 水野幸男氏によって第4回情報文化学会賞 受賞記念式典が行われた。以下の方々が受賞された。
<大賞>(副賞提供:日本アイ・ビー・エム株式会社)「カオス現象および複雑系の先駆的研究」
上田 亮(京都大学大学院教授)
<芸術賞>(副賞提供:日本電気株式会社)「造形およびパフォーマンスの新形態の提案と実践活動」
土佐信道,土佐正道(明和電機)
<学会賞>(副賞提供:ピクチャーテル株式会社)「著書"Genetic Algorithms and Engineering Design"に対して」
玄光男(足利工業大学教授),程潤偉(足利工業大学講師)
<学会賞>(副賞提供:株式会社フジ・テクノシステム)「サイバースペースによるコミュニケーション環境の開発」
鈴木元,谷川博哉,玉邑嘉章(NTTソフトウェア)
<作品賞>(副賞提供:株式会社フジ・テクノシステム)「博物館における電子展示システム」
横山和俊,廣田和也,須藤昌徳,白井博章(NTTデータ情報科学研究所)
<作品賞>(副賞提供:日本電気株式会社)「CLOTHED BODY―ファッションデザインとメディアアートのコラボレーションによるインスタレーション」
田宮良平,明石陽子,葦田幸代,花田直隆,松井仁子,山口房子(インターメディウ ム研究所)
<教育賞>(副賞提供:株式会社フジ・テクノシステム)「情報文化学を指向したマルチメディア情報教育の試み」
栗本英和(名古屋大学助教授),渡邉 崇(名古屋大学教授),安田孝美(名古屋大学助教授)
<産業部会賞>(副賞提供:シャープ株式会社)「状況適応型情報伝達システム」
高橋成文,若木勇(NTTデータ技術開発本部)
<産業部会賞>(副賞提供:松下電器産業株式会社)「ホームページ知的検索システム」
野口喜洋,佐藤光弘,上野剛,星田昌紀(松下電器),石川幹人(明治大学助教授)
<産業部会賞>(副賞提供:松下電器産業株式会社)「マルチメディアにおけるディジタル技術と著作権」
中嶋正臣,野中俊一郎,アンドレア・クティチ,中川明彦(NTTデータ技術開発本 部)

◎報文化学会総会の後、中島 洋(慶応大学)の司会により関本晃靖氏(シリコングラフィクス社 日本/アジアパシフィック担当会長) の記念講演「ビジュアルコンピューティング―ビジネス創造のコア・テクノロジー」が行われ、ひきつづき塩森純一(株式会社ベルシステム24常務取締役)を加えて記念鼎談が行われた。
つづいて、夏井高人(明治大学)の司会により津野海太郎氏(「本とコンピュータ」編集長、晶文社取締役)の基調講演 「インターネット社会と出版文化」が行われた。休憩の後、片方善治会長の司会により、パネルディスカッション「インターネット社会と情報文化」が行われた。パネリストは関本晃靖氏、津野海太郎氏、増田祐司氏(東京大学)、稲垣耕作氏(京都大学)、向殿政男氏(明治大学) 。

◎懇親会は 阪井和男氏(明治大学)の司会により盛大にとり行われた。


2.総会報告

第10回情報文化学会総会報告
1. 報告事項
(1)第7・8回全国大会の件
1. 平成11年度全国大会開催校
東京大学に決定
全国大会実行委員長 河口洋一郎
2. 平成11年度以降全国大会開催校候補
青山学院大、大妻女子大、麗沢大、工学院大、聖学院大学、足利工業大学
(2)支部・研究部会報告
(3)情報文化学会賞の件(全国大会報告参照)
2. 議事
(1)新役員の件(資料参照)
(2)決算報告・予算の件(資料参照)
会計報告および監査報告について
(3)1. 人事移動について
マルチメディア研究部会 副部会長:石川徹也(図書館情報大学 )から石川幹人(明治大学)に交代
学会誌編集委員長 増田祐司
     委員に近 勝彦(小樽商科大学)を加える
全国大会実行委員長 河口洋一郎(東京大学)
全国大会実行副委員長 増田隆昭(淑徳大学)
全国大会実行委員 渋井二三男、平沢洋一、藤本孝一郎、伊藤宏祐(城西大学)
2. 特命事項
○日本学術会議への申請委員会
情報文化学会を日本学術会議へ申請することに決定。次の2氏に申請活動を依頼。
委員長  今井 賢副会長(立正大学)
委員   竹本宣弘(工学院大学)
○学会創立10周年記念事業 学会創立十周年を記念して、情報文化学大事典刊行の編纂を計画し、以下 の委員に企画運営を委託。
  情報文化学大事典刊行
  編集委員長 増田祐司
  実行委員長 平沢洋一
(4)学会役員の活動について
理事・評議員の一部に学会運営の負担がかかっている現状を改善するために、名義上だけの役員には実 質的活動を要請する。


3. 資料 平成11年度 情報文化学会役員

資料 平成11年度 情報文化学会役員

会長 :片方善治 (システム研究センター理事長,金城学院大学 教授)
副会長:今井 賢 [常任理事](立正大学 教授)
理事 :青野敬吾((社)パーソナルコンピュータユーザ利用技術協会 常任理事)、生駒幸運(立正大学 教授)、 石川 昭(青山学院大学 教授)、石川徹也(図書館情報大学 教授)、 石田晴久(東京大学 名誉教授)、 稲垣耕作(京都大学 助教授)、浦 昭二(新潟国際情報大学 教授)、 大橋照枝(麗澤大学 教授)、 加藤 昭(東海大学短期大学部 教授)、 加藤善治郎((株)セコム 顧問)、河口洋一郎(東京大学 教授)、 木村要一(成安造形大学 教授)、 工藤秀幸(麗澤大学 教授)、 小林博道(成安造形大学 教授)、 篠田義明(早稲田大学 教授)、 渋井二三男(城西大学女子短期大学部 教授)、 高橋三雄(筑波大学大学院 教授)、 高橋禮司(放送大学 教授)、 田中利見(上智大学 教授)、 竹本宜弘(工学院大学 専任講師)、対馬勝英(大阪電気通信大学 教授)、 寺本義也(北海道大学 教授)、 中田 平[常任理事] (金城学院大学 教授)、 中島 洋(慶応義塾大学大学院 教授)、 名和小太郎(関西大学 教授)、橋本 勝(岡山大学 助教授)、 東山禎之(大妻女子大学 教授)、 平沢洋一(城西大学女子短期大学部 教授)、 正木鞆彦[常任理事]((株)系コミュニケーションズ代表取締役)、増田隆昭(淑徳大学 教授)、増田祐司(東京大学 教授)、 三重野博司(東日本国際大学 理事)、水野幸男 (日本電気(株)特別顧問,前・情報処理学会会長)、三角順一(大分医科大学 教授)、 村井隆文(東京工業大学 教授)、 師岡孝次(東海大学 教授)、 山下倫範(立正大学 教授)
監事 :浅野良祐(公認会計士)、坂本眞一郎(城西国際大学 教授)
評議員:青木一雄(大分医科大学 助手)、 青木智子(立正大学 講師)、石部公男(聖学院大学 教授)、磯本征雄(名古屋市立大学 教授)、 上山俊幸(千葉商科大学 助教授)、梅村 坦(中央大学 教授)、 香取 薫(弘前大学 教授)、 金山茂雄(東海学園大学 専任講師)、玄 光男(足利工業大学 教授)、 阪井和男(明治大学 教授)、篠崎徳重(愛知女子短期大学 教授)、 菅原光政(岩手県立大学 教授)、 近 勝彦(小樽商科大学 助教授)、 中田直道(鶴見大学女子短期大学部 教授)、 夏井高人(明治大学 教授)、 西村 徹(山梨英和短期大学 教授)、 細内信孝((株)ヒューマンルネッサンス研究所)、三尾直美(香蘭女子短期大学 助教授)、 蓑田正彦(毎日新聞社)、望月哲也(立正大学 教授)
       


4. マルチメディア研究部会報告

1998年11月28日、明治大学駿河台校舎にて情報文化学会第6回全国大会が開催された。第12回マルチメディア研究部会も同時に行われ、発表者のほか約20名の参加者をみた。発表の概要は以下の通り。

1.「メディアの系譜学におけるデジタルメディアの位相」---マクルーハン再評価にむけて----
  中田 平(金城学院大学)
 現在の日本の社会は「アイデンティティが喪失」された社会であり、長い射程で日本社会を捉える目安になってきた吉本隆明の『共同幻想論』では太刀打ちいかなくなった。
 電気的メディア環境そのものが社会であり、われわれはそのようなメディア社会の中で生活しているとするマクルーハンのCD-ROM「Understanding McLuhan」や未整理の資料には、「現代社会が部族社会へ逆戻りする」といったような、現代社会を捉え直すキーワードが含まれており、再評価すべき時にきている。

2.「情報伝達機器・システムの発展と社会的イベント」
  石川徹也(図書館情報大学)
 インターネットの普及に伴い多発している課題解決策の議論・提案の多くは、事象分析型である。研究開発の成果の普及に伴い多出する課題解決には、対象の機能課題分析に止まらず、それらが出現した(する)背景(「社会的イベント」)をも分析の対象にする必要がある。そこで、Arther Charls,C.の『Profiles of thefuture,1967』の情報機器・システムの発展史をもとに、問題点の指摘および分析した結果の報告がなされた。新規成果に伴う課題解決の議論・提案には、対象の機能に伴う課題分析、つまり部分的課題解決策にとどまらず、社会的イベントを議論・分析の観点に取り上げる必要があるという提案がなされた。
3.「テレワークが拡げるワークスタイルの可能性」
  福留恵子(NTTデータシステム科学研究所)
 NTTデータ・システム科学研究所は1997年8〜9月に実施した「テレワークに関する調査」を実施した。調査対象は、日米企業および自治体のテレワーク(在宅勤務、サテライトオフィス勤務)実施企業のテレワーカと企業等担当者(人事部等)に対して、「テレワーク運用の現状・工夫と課題、特に「家事・育児(含む介護)と仕事の両立支援」との関係ついてインタービュ形式で実施された。この実体調査を分析し、「仕事の現場へのテレワークの定着という観点から今後の課題が提出された。

4.「来るべきデジタル社会におけるICカードの役割」
  梅本正敏(NTTデータ技術開発本部)
 「Face to Face」がなく、目に見えない相手と情報をやり取りする機会が増大しているデジタル情報社会においては、自分が本当に向かい合うべき人を相手にしているのかという保証が必要であり、その保証を確保するべく、個々人を確実に識別するための手段として有力視されているのがICカードである。ICカードをこのようなものと認識したうえで、その有効性、社会に与えるインパクト、各分野におけるICカードの利用動向、そしてICカードが普及した社会の将来像をも視野にいれた、ICカード普及のための克服すべき社会的課題について発表がなされた。

以上(浅岡寛久・格式会社スペック)


5.新入会員

新入会員:渡辺 直人(大阪芸術大学大学院)、御園生 純(東京工科専門学校)、三木 真吾、小川 俊暢(オムロン株式会社)、茂登山 清文(名古屋大学)、益本 仁雄(大妻女子大学)、林 光彦(株式会社ブライアングラフィックス)、石川 幹人(明治大学)、蘆田 良貴、辻本 篤(東京大学大学院)、藤堂 尚夫、藤原 博彦(東京大学大学院)、大久保 成(上智大学大学院)、前川 秀正、村田 良子(東京コミュニケーションアート専門学校)、浅野良裕(監査法人ユニー会計事務所)、安田 孝美(名古屋大学)、水野  義之(大阪大学)、三石 博行(金蘭短期大学)、藤村  明子(慶應義塾大学大学院)、飯箸 泰宏(株式会社サイエンスハウス)、松尾 陽一郎(学文社)、鈴木 元(NTTソフトウェア株式会社)、和田 悟(明治大学)、末栄 良弘(金沢市立工業高等学校)、横井 英夫(愛知学院大学)、宮前 正樹(総合電子専門学校)、東 百道、星田 昌紀(松下電器産業)、武藤 勝俊(産業技術大学)、小林 義洋、赤松 加都江、白井 豊(日本工業大学)、永井 美紀子


6.事務局からのお知らせ

事務局からのお知らせ
 事務局では前年度、年会費未払いの会員には会費納入を待って学会誌を配付しましたが、今年度から学会誌は年度内にすべての会員の皆様に配付することにしました。会費の滞納の解決と学会誌配付とを別問題とすることにしたからです。そのため、このニューズレターは情報文化学会誌第5巻と同封して送付します。明治大学の全国大会に出席され、すでに学会誌を配付済みの会員にはニューズレターだけを送付します。会費未納の会員は、同封の振り込み用紙にて会費納入をお願いいたします。
 学会誌の別途御購入を御希望の方は、1部1,000円にて学会誌およびバックナンバーを頒布します。また、大会予稿集は1部500円でおわけいたします。事務局までお申し越しください。